消化器内科
当クリニックの消化器内科では、排便機能(便秘)外来、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患(IBD)、機能性胃腸炎ディスペプシア(FD)など腸の病気に対して、専門的に診療を行っております。腸の専門医として適切な診断・治療・アドバイスができることは、当クリニックの大きな強みのひとつで、排便機能外来では、便失禁も専門とする数少ないクリニックのひとつです。
逆流性食道炎や、胃・十二指腸・肝臓・胆のう・すい臓などの病気、風邪や生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病、動脈硬化症)などの内科全般についても、適切な診断・治療・アドバイスをいたします。
皆様の体質や生活習慣等をふまえ、より健康的な暮らしができるよう詳しい説明と誠意を持った対応をさせていただきます。
皆様方に安心して信頼される“かかりつけ医”を目指し、地域に根付いた医療に貢献していきたいと考えています。
- 過敏性腸症候群(IBS)
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過敏性腸症候群(IBS)は特殊な病気ではなく、日本の全人口の10~30%程度に症状がみられると言われるくらい「よくある病気」ですが、患者様にとって
は非常につらい症状です。
IBSは、大腸・小腸に具体的な「疾患」がみられないにも関わらず、お腹を中心としたさまざまな症状が現れる「症候群」です。代表的な症状としては、腹痛、腹部膨満感(ガスがたまってお腹が張る感じ)、便通異常(下痢・便秘)、嘔気などです。人によって、ときには頭痛、めまいといった消化器系以外の症状が出てくる場合もあります。
原因がはっきりと解明されておらず、「何らかの誘因」が引き金となって中枢・末梢神経系や消化管ホルモンなどの調節がうまくいかなくなり、小腸・大腸の運動がスムーズに行われなくなったり、消化管が知覚過敏状態になったりすると現在は考えられています。
「何らかの誘因」は多くの場合、不安・緊張などのストレスだとされます。例えば月曜日の朝や外出前に症状が強くなる傾向がある一方で、睡眠時や休日前にはあまり症状はみられません。当クリニックでは、便の検査、血液検査、X線検査、内視鏡検査などを行い、まずは腸に器質的な病気がないかどうか調べます。
もし検査で異常があれば、その症状は過敏性腸症候群(IBS)ではなく、腸炎や潰瘍、あるいは腫瘍といった別の疾患の可能性が高くなります。
検査では特に問題となる病気が見当たらないのに、腹痛またはお腹の不快感が1年のうち(連続的でなくとも)12週間以上続き、排便によって軽快する、排便回数の変化で始まる、便性状の変化で始まるという3つ特徴のうち2つ以上があてはまる場合にはIBSと診断されます。過敏性腸症候群(IBS)は症状が比較的長期にわたって続く病気です。
しかし器質的な疾患でありませんので、まずは症状に大きく影響を与えているストレスを解決したり発散したりすることと食生活を含めた生活習慣の改善など、リラックスした毎日を送ることができるよう努めることが大切です。
とは言え、ストレスを解決するのは、現実問題として簡単なものではありません。
そこで、お薬を使って「消化器の症状を抑えたり、ストレスや不安をとりのぞく」治療が行われています。 - 炎症性腸疾患(IBD)
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炎症性腸疾患(IBD)は、腸の病気のうち、特に潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis; UC)とクローン病(Crohn’s disease; CD)という病気を指します。
慢性的に下痢や腹痛、下血などをきたす原因が明らかになっていない病気ですが、20~40代の比較的若年者に多いことが特徴です。
- 機能性胃腸症ディスペプシア(FD)
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機能性胃腸症ディスペプシア(FD)とは、検査では胃に癌や腫瘍などがないのにも関わらず、胃のもたれや痛みなどのつらい症状があらわれる症候群です。
下記のような症状に悩まされます。
食後愁訴症候群(食事に伴っておこるタイプ)
胃もたれ感がある/食事の際、すぐに満腹となる(早期膨満感)心窩部痛症候群(胸~上腹部に痛みを感じるタイプ)
心窩部に痛みを感じる/心窩部にやけるような感じがある原因は現代でも明確になっていませんが、胃の運動機能の低下による胃内容の排出遅延、知覚神経の過敏、胃酸の出すぎ、食習慣を中心としたライフスタイルの乱れ、ストレスの付加など複合的な原因により、症状があらわれると考えられています。
機能性胃腸症ディスペプシア(FD)の治療はお薬が中心となります。
検査結果からの診断のタイプ別に、運動機能改善薬、胃酸分泌抑制薬、抗不安薬など、患者様に合わせて投与いたします。
また、再発防止には機能性胃腸症ディスペプシア(FD)の発症の素地となった食習慣を中心としたライフスタイルの見直しと改善が大切です。食習慣の改善、
ストレスの発散に心がけるなども効果的な方法をアドバイスさせていただいています。 - 逆流性食道炎
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逆流性食道炎とは、胃液などが胃から食道の方へ逆流し、食道の粘膜が傷んで炎症を起こしてしまう病気です。主な症状は「胸焼け」ですが、治療をせずに
放置しておくと慢性化してしまうため、潰瘍に進行したり、稀ですが、癌になることもあるといわれています。
胸焼けは、すっぱい液体がのどまで上がってきたり、胸がつかえる感じがしたり、みぞおちから首やあごに向かって焼けるような感じがあったり、げっぷを伴うような胸焼け、ひどい時には痛みとして感じることもあります。胸焼け自体がよく経験する症状のため、無関心のまま放置されがちですが、ひどい胸焼けが週に何度も起こったり、食後や横になったとき、あるいは前かがみの姿勢で、胸焼けが強くなるようであれば、逆流性食道炎の可能性があります。
当クリニックでは、胃液中の酸を抑えるH2ブロッカーなどの有効なお薬を処方していますが、お薬の効果は服用の仕方によって違ってくるので、詳しくアドバイスさせていただきます。再発が多い病気のため、症状が治まっても自分の判断でお薬の服用をやめないようにしましょう。 - 胃炎・胃潰瘍
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慢性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、さらには胃癌(胃がん)などの原因は、ピロリ菌であることが非常に多いです。
ピロリ菌は、最近約20年で研究が進んできており、除菌治療が可能になりました。
特に、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を繰り返した方がピロリ菌の除菌治療に成功すると、潰瘍が再発しなくなることが知られてきております。
また、ピロリ菌への感染によって、胃がんをおこしうることも証明されましたが、ピロリ菌を除菌することで胃がんの発症リスクが軽減することが期待されてきています。
この他、一部の胃のポリープも除菌治療で消退することがあることが知られています。当クリニックでもピロリ菌の除菌治療を行っています。まずはお気軽にご相談ください。