便失禁専門外来

便失禁について

生命には直接かかわらないものの、便失禁は羞恥心から自己嫌悪を招き、
社会的に孤立していくということで生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。

国内における便失禁患者の現状として、65歳以上の方を対象とした調査では約7.5%が便失禁の症状を有しており
日本国内で推計500万人以上の便失禁患者が存在すると言われています。

しかし、恥ずかしい、家族にさえ相談できないなどで、82.5%の患者さんは病院を受診していないという現状もあります。

当クリニックは「便失禁」の専門医として、このような症状をお持ちの方の治療にあたります。まずは、お気軽にご相談ください。

便失禁の原因

便失禁は、このようなことが原因で起こります。

  • 内肛門括約筋機能低下
  • 分娩時の肛門括約筋損傷
  • 直腸・肛門手術後(直腸がん、直腸脱等)
  • 脊髄疾患
  • 中枢神経疾患
  • 加齢、経産婦(発症年齢のピークは30歳前後と50歳台後半)

便失禁を専門的に治療しています

便失禁の治療には一般的に大きく分けて保存的加療と外科的療法の2つが考えられます。
保存的加療には骨盤底筋訓練、薬物療法、バイオフィードバック療法、アナルプラグ、両側後脛骨神経刺激療法などがあります。
また外科的療法には仙骨神経刺激療法、肛門括約筋形成術、人工物肛門内注入、順行性洗腸法、人工肛門造設、磁気的肛門括約筋などがあります。
当クリニックは 便失禁専門サイト「おしりの健康.jp」 に登録されています。

両側頚骨神経刺激療法
(Bilateral Transcutaneous Tibial Nerve Stimulation)

排便機能の中枢である仙骨神経叢(骨盤内)からつながる太い神経は、脛骨神経の下端部で表層(体表)に位置しています。
そのため脛骨神経(足首の踝)を刺激すると求心性経路を辿り仙骨神経へ刺激が伝わります。この刺激が仙骨神経に影響を及ぼし、また大脳への刺激作用が生じている可能性が示唆されています。
当クリニックではTENS(経皮的電気刺激療法)、周波数10Hz、パルス幅200μSecの治療を行っております(2回/週、計12回を1プログラム)。

仙骨神経刺激療法
(SNM=Sacral Neuromodulation)

仙骨神経刺激療法(SNM=Sacral Neuromodulation)というのは、仙骨神経刺激システムを使用して、仙骨神経を電気的に刺激することによって、便失禁の症状改善を目的とした治療法です。

この治療法は1981年にカリフォルニア大学泌尿器科で臨床プログラム開始しました。その後、様々な臨床研究を重ね、2011年には便失禁の治療用として米国にてFDA承認、日本においても2010年に臨床試験を実施し、2013年9月より便失禁の治療用として薬事承認を取得しました。2014年4月には便失禁の治療として保険適用されました。

特徴
・体内に刺激装置を植込み、継続的に仙骨神経を刺激する
・刺激装置を植込む前に試験的に刺激を行い治療の効果を確認する事が出来る
・効果が見られない場合は術前の状態に戻すことが出来る
・植込み後は、症状や変化に合わせて適した効果を得られるよう、患者さん自身が刺激
強度などの調整を行うことが出来る