胃がんについて
今から約40年前、日本人のがん患者では「胃がん」が圧倒的に多く、死亡率の割合は1位でした。
現在は胃がんでの死亡率は減少傾向にあるものの、医療が発達した日本でも未だ毎年5万人もの人が胃がんにより死亡しています。
もともと胃がんはストレスや喫煙、食生活が大きく関係していると思われてきましたが、実は「ピロリ菌」という強い胃酸の環境下にも生息できる菌が原因であることが分かりました。
「ピロリ菌」は1983年にオーストラリアの博士により発見され、現在に至るまで様々な研究がなされました。これらの研究によって、ピロリ菌は胃炎や胃十二指腸潰瘍、そして胃がんとの関係性が深いことが明らかにされました。
胃がんは初期症状がなく、進行している場合でも症状がほとんどないこともあります。しかし、早期に発見できればほぼ完治が見込める病でもあります。
胃がんが進行している場合の主な症状は、食欲不振・胸焼け・吐き気や嘔吐・吐血・腹痛
などが挙げられます。
胃がんの原因は、長期にわたる胃炎などの胃の中の環境悪化、刺激によるものです。胃の中の環境悪化には、塩分の多い食生活や過度な飲酒、喫煙、ストレス、過労があげられます。
またピロリ菌の保菌によりそのリスクは高まります。
ピロリ菌に感染すると胃粘膜が炎症を起こし、胃の痛みや不快感、吐き気を伴う慢性胃炎や胃粘膜の組織が消えてしまう萎縮性胃炎へと進んでいきます。
この萎縮性胃炎は「前がん状態」と言われ、胃がんの発症リスクが非常に高い病態です。
そして日本人の胃がんの99%にピロリ菌が関与していることがわかってきました。
ピロリ菌の早期除去は、胃潰瘍の再発リスクを低減し、胃がんの発症を予防するために重要です。